配信しながら録画をするにはどうしたらよいのか
ウェビナーの配信方法には、リアルタイム配信以外に録画配信があります。録画配信の特性を理解するとウェビナーをさらに活用できるものの、配信中のウェビナーを録画する方法に頭を悩ませる方もいるでしょう。ここでは、ウェビナーを配信しながら録画する方法を解説します。記事を参考に、ウェビナーのよりよい運用に役立ててください。
録画配信をするメリット
ウェビナーの録画配信には、次のようなメリットがあります。
配信の負担を大幅に軽減できる
リアルタイム配信の場合、1回配信を行うごとにセミナーの内容や資料などを準備しなければなりません。また、配信の都度、講師を手配する必要もあります。
一方、録画配信の場合、一度配信した動画は何度でも配信できます。配信の都度セミナーの準備をする必要がないので、準備の手間や時間的な負担を軽減して配信することが可能です。
セミナーの質を担保できる
リアルタイム配信の場合、配信の都度セミナーを開催することになるため、セミナーの質が安定しない場合があります。講師は毎回万全な状態で登壇できるとは限りません。当日、風邪などの体調不良や、調子が出ずにうまく言葉が出てこないなどのトラブルに見舞われることもあります。
その点、録画配信であれば配信当日の講師のコンディションに左右されず、同じ質のセミナーを何度でも提供可能です。また、言葉に詰まった場面などを編集したり、初回の配信時以降に、アンケートなどで寄せられたユーザーの声を反映したりと、内容をブラッシュアップすることもできます。
参加者を確保しやすい
リアルタイム配信では、配信日時に予定が合わないユーザーは参加できません。録画配信であれば準備や講師の手配も必要ないため、配信日時を自由に設定可能です。
ユーザーの生活様式は多様です。極力多くのユーザーが参加しやすい時間に配信しても、一度の配信ではその時間に参加できないユーザーを取りこぼすことになります。録画配信を活用すると簡単にさまざまな時間帯に再配信できるため、さらに参加者を確保しやすくなるでしょう。
録画配信をする方法とは
配信中の動画を録画することによって、録画配信に使用する動画を作成することが可能です。ここでは、ウェビナーの録画配信の手順を、Zoomウェビナーを例に取って解説します。
【1】動画の録画
Zoomウェビナーでは、配信時、ウェビナールームの画面下部にある「レコーディング」をクリックすることで、配信中の動画の録画が可能です。レコーディングをクリックすると動画データの保存先を「このコンピューターにレコーディング」もしくは「クラウドにレコーディング」から選択します。
クラウドを選択すると、Zoomアカウントを通して複数の端末から動画にアクセス可能です。動画の録画は、本編部分だけでなく前後に余裕を持たせて行いましょう。
【2】録画済みの動画をダウンロード
クラウドに動画を保存した場合、配信と録画が終わったら作業担当者のパソコンに動画をダウンロードします。
【3】編集
必要があれば、動画の不要部分をカットして編集を行います。時候の挨拶といった再配信時に不都合なシーンのカットや字幕の追加などは、この段階で編集しましょう。
【4】配信時の各種設定
ここからは、作成した動画の配信を行うための手順です。ウェビナールームを立ち上げ、ホスト・パネリストともにビデオの設定をオフにします。
ビデオをオンにすると、ビデオのウィンドウが開かれて資料の表示画面が圧迫されて小さくなるため、資料の視認性を高めるためにも忘れず設定しましょう。また、配信者の周囲の音を拾わないように、Zoom音声もミュートにします。
【5】録画済み動画の配信
配信する前に「全画面ビデオクリップ用に最適化する」のチェックを外しましょう。全画面ビデオクリップ用に最適化を行うと動画が滑らかに見える一方、解像度が下がり、文字などは見えにくくなります。
ウェビナーは資料がメインとなることが多いため、動画の滑らかさより解像度重視の設定を行います。ここまで設定ができたら「画面の共有」ボタンをクリックし、配信しましょう。
ウェビナーを録画配信する際のポイント
ウェビナーの録画配信は、リアルタイムの配信と異なる点がいくつかあります。ここでは、録画配信ならではのポイントを紹介します。
ウェビナーの目的を明確にする
リアルタイム配信でも目的を明確にする必要がありますが、録画配信の場合、ユーザーの反応をリアルタイムで受け取れないため、配信中の軌道修正はできません。とくに編集などで手を加える場合、登壇者とセミナーの目的のすり合わせを行い、方向性を定めておく必要があります。
編集を活用する
リアルタイム配信と異なり、録画配信の場合はあらかじめ動画に手を加えることが可能です。字幕や効果音を追加するなど、さまざまな編集の手法がありますが、いたずらに追加するのではなく、ユーザーの理解を深めることを意識して編集を行いましょう。
繰り返し配信する
録画配信は繰り返し行うとさらに効果的です。曜日や時間帯を変えて何度も配信を行うことで、より多くのユーザーに視聴してもらえるとともに、各配信時の視聴人数から参加者の多い時間帯を割り出すこともできます。
本編の開始時刻と配信時刻を合わせる
とくに本編の前に余裕を持たせて録画した場合、配信時刻には動画そのものの開始ではなく、本編の開始を合わせましょう。配信時刻に動画を頭から配信すると、講師が話し始めるまでに時間がかかるため、ユーザーは待たされてしまうことになります。
まとめ
ウェビナーの録画配信を活用することで、手間や時間の負担を大幅に軽減し、同じ内容のセミナーを何度も発信することが可能です。編集や繰り返しの配信によって、ユーザーの理解を深めつつ、初回の配信に参加できなかったユーザーを再獲得する機会につなげられます。
ユーザーから再配信のリクエストを受けた場合や、同じ内容を定期的に配信したい場合など、録画配信が活躍する場面は少なくありません。録画配信の活用を視野に入れる場合は、初回配信時に録画を忘れないようにしましょう。